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グイン・サーガ・ワールド一期のこと [グイン・サーガ・ワールド]

すこし前に、グイン・サーガ続篇プロジェクトを振り返ってみようと、書いたものです。

2009年5月26日、栗本薫先生が逝去されてグインの物語は130巻(未完)で途絶することになりました、が、アニメ版グイン・サーガの公開にあわせ出版された新装版『グイン・サーガⅧ 帰還』のあとがきに先生はこう書かれています。
「自分がもしかなり早く死んでしまうようなことがあっても、誰かがこの物語を語り継いでくれればよい。どこか遠い国の神話伝説のように、いろいろな語り部が語り継ぎ、接ぎ木をし、話をこしらえ、さらにあたらしくして、いろんな枝を茂らせながら、それこそインターネットが最初空想していたような大樹になってもよいではないか——」
この言葉を受けて、栗本薫/中島梓先生の夫君であり、グイン・サーガがSFマガジン誌上で始まったときからの担当編集者である今岡清氏が立ち上げたのが「グイン・サーガ・ワールド」という、いったん途切れてしまった木に接ぎ木をして新たな生命を吹き込むプロジェクトだったのです。

この企画をわたし宵野ゆめが知ることになったのは、中島先生が主宰していた小説教室の塾生用BBS(先生亡き後もサイトを残してくれていました)でした。2010年11月上旬に今岡さんから「グイン・サーガの外伝を書こうという人はいませんか?」と呼びかけがありました。すでに人選は進んでいたそうですが残りひとりを教室の人に相談することにしたそうです。募集要項(100枚ずつ4回の連載)や〆切(3ヶ月おき)など具体的なこともこのとき発表になりました。わりと急でしたが、わたしを含め二人の塾生が手を挙げて担当編集者さんも相談の上執筆者を決めたのでした。(ここらへんは「宿命の宝冠」のあとがきには書いていなかったかも…)

栗本薫先生の世界に接ぎ木をする、しかも久美沙織先生、牧野修先生という一線の作家と!緊張とプレッシャーで脳が膿んでいたと思います。(どのつく新人です、とても正気じゃいられません)シェア・ワールドということですから、もし舞台が他の先生かぶった場合には変更しなければなりません。が、草原(久美先生)、ノスフェラス(牧野先生)、沿海州(自分よいの)と打ち合わせもなく分かれたのは栗本ヤーンのみちびきのようです。このときから田中勝義氏と八巻大樹氏という力強い監修の協力も得ていました。設定に縛られると云われますが、グイン世界はまったく逆で、監修者のコメントから世界と登場人物をもイメージ豊かにふくらませることができました。この場で深く感謝です。そして3月11日一回目の〆切直前に起こった大震災を乗り越え、グイン・サーガ・ワールドは発刊したのでした。

 グイン・サーガ・ワールド1
 2011年5月5日 早川書房より刊行
 文庫(ムック/カバーがつかない様式)333ページ
 商品パッケージの寸法: 15x10,6x1,4cm

 幻の外伝「ドールの花嫁」栗本薫著
 十六歳となったアルド・ナリスは、王立学問所に入学し寄宿生活をはじめる。そこでキタイとタルーアンの混血で醜い疵のあるヤン・スーファンとまみえ、「…美しい王子さま、あなたもまた、いつか夜の闇の中でひそかに、ヤヌスとドールとがひとつものだということではないかと、そう考えたことがあるはずなのだ。もしそうだったら、ドールとは一体誰なのか、またもしそうでないのなら、ヤヌスがことさら双面であるいわれがどこにあるのかとね…」悖徳的な、悪魔が天使をたぶらかすかのよう語りかけられて…というお話しです。残念なことに冒頭部のみの未完ですが、耽美的な雰囲気や王立学問所にまなぶナリスのプライベートをかいまみられる貴重な作品と思います。
監修者のひとり八巻大樹氏は「ドールの花嫁」発見の経緯を語り、執筆時期は1984年の1~2月(本篇ではリンダとレムスがパロに帰還し、グイン・イシュトヴァーン・マリウスの三人が放浪を経てケイロニアに着いた頃)であろう、また「闇と炎の王子——ナリス十六歳」(グイン・サーガ外伝『十六才の肖像』)が書かれたもとになっているのではないかとも推察しています。

 「星降る草原」久美沙織先生
 ・草原の民たちの愛憎を描くミステリロマン 第一回 アルゴスの黒太子スカールの母、リー・オウというグル族の娘の蠱惑的なること。
 「リアード武侠傳奇・伝」牧野修先生
 ・ノスフェラスに暮らすセム族の冒険譚 第一回 グイン正史より少し未来、セムの旅芸人の禁忌を巡る物語(カタリ)。
 「宿命の宝冠」宵野(よいの)ゆめ
 ・沿海州レンティアの陰謀劇 第一回 パロ王立学問所から派遣された遊学生がレンティアの港で遭遇した《事件》とは…。

 「日記より」
 ——もし私が死んだら/パトラを全部/私といっしょに焼いて下さい/パトラは私の中に生まれ/私と共に生き/私と共に苦しみ/私と共に笑いました/パトラは私だけの/私一人だけのものですから
 ・パトラとは、中島梓先生が、夢や未来への野心やうちなる苦悩を語り得たゆいいつの日記(あいて)です。
 わたし(宵野)も日記を読んで衝撃をうけたひとりです。けれど同時に、中島先生の旦那さまが「表現にとりつかれたとすら言える一人の人間の、壮絶な戦いの記録として世に残されるべきものと」と考え、抜粋ながらも発表した意義を了解すると同時にひとつの思いを抱いたものです。知らなかった、そうとは全く思わなかった、と……

 「いちばん不幸で、そしていちばん幸福な少女」今岡清先生
 知られざる中島梓像に迫るエッセイ、第一回。



 グイン・サーガ・ワールド2

 2011年8月10日 早川書房より刊行
ISBN-10: 4150310432
ISBN-13: 978-4150310431

 遺稿「氷惑星再び」(導入部)栗本薫
 ・グイン・サーガ」の原型となった「氷惑星の戦士」(外伝22巻『ヒプノスの回廊』所収)の続篇。栗本先生は、高千穂遙先生の「美獣シリーズ」に、先にヒロイック・ファンタジーをものされた!とよく仰っていました。
 同時期に創作された本作の主人公も謎につつまれ、おのれの正体を知らない戦士という設定はグインをほうふつさせもします。
 監修者の田中勝義氏の冒頭解説を引用させていただくと、「ノーマン・シリーズには『アスガルン』『シグルド』など、グイン・サーガでも使用された単語が登場しますが、本作では何よりグイン・ファンならニヤリとせざるを得ない【あの名称】も登場します。未完ですが、魅惑的な登場人物と世界設定は、完成していれば一級のSF作品となったにちがいありません。

「星降る草原」連載第2話、幼いスカールが草原の王子として登場。
「リアード武侠傳奇・伝」第2話、スノフェラスのさらなる深奥が描かれます。
「宿命の宝冠」第2話、レンティア王家をめぐる陰謀が徐々に明らかに…。
「日記」中島梓先生
 ・二ヶ月で三千枚の小説を書くという、すさまじい執筆活動の陰で、人格障害にくるしまれていたことなどが明かされます。
「いちばん不幸で、そしていちばん幸福な少女」今岡清著
 ・中島梓の内面に迫るエッセイ、第2話。今岡さんは、梓先生の生前に「もし私の奥さんについて書くのなら、題名は『いちばん不幸で、そしていちばん幸福な少女』になるだろう」と云っておられたそうです。


 グイン・サーガ・ワールド3

 2011年11月10日 早川書房より刊行
ISBN-10: 4150310491
ISBN-13: 978-4150310493

「星降る草原」連載第3話、リー・ファ登場!スカールと幼い彼女の出会いを描いてくださって、久美先生、ありがとうございます。
「リアード武侠傳奇・伝」第3話、ついにサーガ最大の禁忌が…!(牧野先生ひどいっと思わず叫んでしまいました…私感です)
「宿命の宝冠」第3話、陰謀が引き起こすさらなる悲劇が描かれる。(宵野もひどかった…しかももっと殺す予定だったのでした)

「手間のかかる姫君」栗本先生の遺構(未完)、ユーモラスな初期グイン・サーガ外伝。(ナリスさまもイシュトも出てこない外伝をお書きになっていたとは…。本作主人公はイシュトヴァーンをずっと穏やかにした、一生をまっとうできる人物となる予定だったのかしら?)
「スペードの女王」伊集院大介シリーズ
・この作品について中島先生のお別れ会の折に講談社の方が口にされていました。タイトルから耽美な作風をイメージしていましたが、どっこい、伊集院さんといっしょにテレビ局の楽屋に紛れこんだ気分にもさせられるきわめて現代的な作品でした。殊に一条院春日やジョーカーという人物は、現在(2016年秋)のタレント界に似た人物を探せそうです。その時代の先頭で注視を集める人物を糸のように掬いとり物語に紡ぎあげる栗本ヤーンの手腕はさすがです。また冒頭では伊集院さんが引退をほのめかしたり、怪盗シリウスや「絃の聖域」に触れられており…もしかしたら「伊集院大介・最後の事件」を意図して書きはじめられたのだろうかと感懐も深いです。(未完が無念です)
「日記」
・お着物や、洋服や、外食や、本を買ったこと。21才の大学生らしい思いが綴られ、読み手はちょっとホッとします(笑)。
 ここに出てくるTwilight Seriesとは、トワイライト・サーガのことなのでしょう。時期的に合うし。中島先生の哲学への憧憬、それへの背反か照れ隠しのようにポルノ小説に精力をだす日々。(それは男女が演じるポルノグラフィーでなく、稲垣足穂的風流と好事あるいは野坂昭如の戯作を目指していたのだろうと推測できますが)

「いちばん不幸で、そしていちばん幸福な少女」
・中島先生の手がけたミュージカル・お芝居について今岡さんが解説し、その折々の感想を明かします。「ミスター!ミスター!」にはじまり「マグノリアの海賊」や「炎の群像」はグイン・ファンには感慨深い公演でしょう。しかし「天狼星」の舞台が中島先生にそんな大きな経済的負担をあたえたとは想像していませんでした。(実はわたしはちょっとだけですが舞台を(収支決算の部分で)手伝った経験があり「黒字を出すのがむずかしい、否とんでもない金食い虫」ということを実地で知っています)むしろこのエッセイは傍らでハラハラしている今岡さんに感情移入して読みました。(結果はたいへんだったけれど、舞台作りの中心で中島先生は苦しみや怒りの負担は大きかったけれど、その世界と一体化する…小説を書いているとき感じるようなエクスタシーもあったのではないでしょうか?そう感じる者もここに一名おります)舞台とは、楽屋裏がどんなにはちゃめちゃでも、幕が開いた瞬間から下りるまでの間に、特別な時間を昔王侯貴族が味わったように味わえる稀有の空間です。その空間には極めて魅惑的な魔物が棲んでいて、時に観客のみならず創り手の魂も魅入られてしまうのだ…と思ってしまうのです。



 グイン・サーガ・ワールド4

2012年2月9日 早川書房より刊行

ISBN-10: 4150310564
ISBN-13: 978-4150310561


「星降る草原」連載第4話、草原を襲う悲運とスカールの新たな旅立ちが描かれます。ハシクル…。
「リアード武侠傳奇・伝」第4話、最大の禁忌をめぐる争いが数奇な結末を迎えます。グインが…。
「宿命の宝冠」第4話、骨肉相食む陰謀がたどる悲惨な運命が描かれ…(悲惨すぎたので単行本で『救い』を足しました)
「日記」中島梓先生
 ・群像の新人賞(「文学の輪郭」として刊行)や、江戸川乱歩賞をとって輝かしい航海に乗り出したばかりの中島先生。その常軌を逸する多忙な日々は並の人間にはとうてい超えられそうもない…やはり特別な方だったのだなあと感慨をいだきます。
「いちばん不幸で、そしていちばん幸福な少女」今岡清著
 ・悲しいけれど深い愛情で結ばれた夫婦の物語と読め…ラストの一行ではなみだが止まりませんでした。


 これにて「グイン・サーガ・ワールド」第一期は完結しました。神田の早川書房本社近くで打ち上げも行なわれ、そのとき担当の阿部さんから二期は九月から始まることと、執筆陣に図子慧先生と五代ゆう先生が決まっていることなどを伺い、次は読者として参加だわ…と思っていました。(このへんは「サイロンの挽歌」のあとがきに書いております)が、しかし、四月にはいって阿部さんからメールをいただき、宵野も続篇執筆で連投することが決まったのです。
二期グイン・サーガ・ワールドについても続けて書いていこうと思っています。


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グイン・サーガの「あとがき」 [お知らせ]

こんばんは、宵野です。

のっけから質問ですが、みなさんは「あとがき」を本文あとに読む派、それとも先に読む派どちらですか?


わたしは「あとがき」は、本文を読んでから読む派です。グイン・サーガでもそうでした。いや、何冊か例外はありますが。「あとがき」には余韻にひたったりコーフンを鎮めるはたらきもありますし・・。もっとも、逆にエキサイトしてしまったこともあり・・それはそれで懐かしい思い出ですね(笑)。

いつでしたか、栗本薫先生は「あとがきだけで千枚を越えるなぁ」とつぶやかれていました。「あとがき」だけで千枚! やはりグイン・サーガとはとてつもない規格はずれの作品だと、おそれいったものです。

それから数年ののち、弟子の自分がグイン・サーガの続篇を書くことになって、「あとがき」を書くようになるなんて・・なんという・・ヤーンの悪戯であろうかと、毎回深い感慨をおぼえるのであります。

栗本先生の絶筆から先を書き継ぐ旅の途には、艱難辛苦の山また山、鎧姿で遠泳するはめになり溺れかける・・これ喩えではありませんから、しかもしょっちゅう遭ってる気もします。。
そうして400枚(ほぼ)の原稿を上げ、やれやれこれでひと安心、と鎧をぬいだすぐあとに「あとがき」という最後の難関が待っているのです。
ほんとうにほんとうに苦手なんです「あとがき」。
続篇をひき受けてからグインの本篇は何度も読み返してるんですが、栗本先生の書く「あとがき」はなんて魅力的なのだろうといつも感嘆しています。まるで自分ひとりに話してくれているような気さえします。「あとがき作家」と自称されていましたが、「あとがき」も作家の芸なんだなあと思える、ほんとうにみごとな「あとがき」でした。
そんなグインの「あとがき」を任されるようになって、さいきんは「あとがき」を書くのにプレッシャーを感じてしかたありません。あうあう・・。
「あとがき」でプレッシャーとはなんとも情けない話ですが、「あとがき職人」の先生の後をひきついだわけですし、もともと苦手でもあった・・でも苦手なりにがんばって書いてはいます。と、遅筆の云いわけっぽい気がさしますが、昨日その「あとがき」著者校を担当さまに送信いたしました。
138巻「ケイロンの絆」の発売日は、早川書房からのアナウンスを待つことになりますが、もう一息というところです。かさねてよろしくお願いいたします。

                     宵野ゆめ拝

宿命の宝冠がKindle化されました。 [お知らせ]

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「宿命の宝冠」わたくしのデビュー作でございます。
「イリスの炎」のあとがきに書いておりますが、「売国妃シルヴィア」に出てくるアウロラの物語。
 沿海州レンティアに遊学してきたパロの学生がお家騒動に巻き込まれます。
 どこかでつぶやいてますが、カバーイラストのアウロラの髪の毛、売国妃シルヴィアではかなり短髪になりますが、丹野先生の描いて下さったアウロラの表情がほんとうにイメージ通りでびっくりしました。
 グイン・サーガ・ワールドで連載していたときと、単行本化されたときでは、ラストが少しちがっております。時系列をすこし進めたというか、アウロラ姫とタムくんの冒険の続きもいずれ書いてみたいですね(笑)
 Amazonでは冒頭部分を試し読みしていただけます。↓
 http://www.amazon.co.jp/dp/B012VLM7LA

十二選帝侯のまとめ(ササイドン会議の出席者を中心にした) [売国妃シルヴィア関連]

おはようございます。
いきなり本題に入りますね。
グイン・サーガ134巻「売国妃シルヴィア」の第三話に「選帝侯会議」を書いてから、「十二選帝侯をまとめてほしい!」とのお声をチラホラ耳に(目にw)するようになり、ただでさえ登場人物が多い宵野グイン、責任を感じまして・・。
というのもこの第三話を書くにあたって、既刊152巻から十二選帝侯について抜粋してたんですよね。今いちばん資料をもってるのはこの私ではないかと(笑)
そんなわけで「十二選帝侯のまとめ」を、やってみることにしました。
とはいえかっこいいレイアウトは期待しないで。愚直に、文字で埋めるだけですが、何かの参考になれば幸いです。

まず一番手は、ランゴバルド選帝侯、ハゾス・アンタイオス。
ケイロニア宰相にして、ケイロニア王グインの股肱にして親友。四十がらみの渋い男前。瞳の色は青灰色。
妻は先代アトキア侯の長女ネリア。三人の子供をもうけています。
黒死病の折には、若いアトキア侯マローンと、フリルギア侯と共に黒曜宮に残った責任感あふれる好漢ですが、「サイロンの挽歌」~「売国妃シルヴィア」ではヒーロー以上に精神的に痛めつけられることに・・。ササイドン会議では司会役を勤めました。

二人目、ロベルト・ローディン、盲目のローデス選帝侯。
いつも黒衣をまとっていることから「黒衣のロベルト」と呼ばれています。
ほっそりと華奢な風体、黒髪、黒いびろうどのような双眸。性格はおだやかで聡明。誰にでも分けへだてなく優しく接するので、徳の高い僧のように思われ人望をあつめています。アキレウス大帝のお気に入りの腹心。「サイロンの挽歌」の第二話でマリニア姫をかばって足を負傷しました。独身ですが、ハゾスの次男坊を養子にすることが決まっています。

三人目、マローン・マルティヌス、若返ったアトキア選帝侯。
123巻「風雲への序章」で、父侯ギランはアキレウス大帝に隠居を願い出て、長男のマローンが跡目を継ぐことにあいなりました。
外伝「七人の魔道師」には、若いアトキア侯がグイン王にサイロンの怪異を確かめたいと言上するシーンがありますが、本篇の登場はケイロニア篇の最初期で十代の子爵でした。モブキャラのような登場で、時を経て、メインキャラの仲間入りを果たす。大河小説グイン・サーガのサラブレッドなきがします。優しい顔立ちながら、眉は濃くきりりとしています。サイロン市政の責任者。26才。

四人目のアウルス・アランは、アンテーヌ子爵。ササイドン会議に選帝侯の代理で出席。
事情によって選帝侯会議を欠席する父アウルス・フェロンの名代を買って出ました。アラン君もデビューは早く、18巻の「サイロンの悪霊」にはすでに名前が! 登場するたびごとに「美少年」「宮廷の女性の人気の的」「端麗で気品にみちた」「武芸、馬術にも才能をみせる」という栗本先生の形容もうるはしく、活躍が待たれていた若手の一人だと思います。
父である選帝侯アウルス・フェロンは十二選帝侯の筆頭、最も力があるとされる大貴族。ケイロニア帝国が統一されたとき最後まで抵抗したのがこのアンテーヌ族で、その祖先はタルーアンのヴァイキングです。アキレウス大帝より年は上。娘のアクテをワルスタットに嫁がせています。ハゾスは大叔母の孫にあたるそうなので、そのへんの事情で大トートスが描いたアルビオナ女王の肖像画を所有していたのかもしれませんね。

五人目、フリルギア選帝侯ダイモス。
学者めいた風貌と有識の石頭ということで、老けたイメージですがハゾスと同年輩です。「七人の魔道師」では、サイロンに黒死病が広がり蔓延する中も黒曜宮に残っています。フリルギアと云えば名産は岩塩。ケイロニア皇帝から饗応役を申し付けられたら、こてこてのケイロン宮廷料理を手配しそうですね(笑)。

六人目、アレス・サルディウス、サルデス選帝侯。
落馬エピソードが有名な、あまり人気のない選帝侯。小柄で太っちょ。ですが、ゴーラに警戒して騎士団と共にマイラスに出兵する勇敢さももっています。サルデス侯の姫君が、先代のベルデランド侯ディルスに嫁いでいます。

七人目、ダナエ選帝侯ライオス
風采があがらない。髪がうすい。そのせいか婿の候補だった時代、シルヴィア姫からずいぶんな嫌われようでした。あの頃からなぜか気にかかっていたんですよねぇ(書き手心の声)。長らく独身で、女性関係では以前から噂があったようです。アトキア候マローンの妹サルビア姫を妻に迎えましたが・・。

八人目、ツルミット選帝侯ガース。
ツルミット選帝侯はこれまで登場の機会に恵まれてませんね。 123巻の猫の年の新年の賀の祝典に参列出来ませんでした。

九人目、ラサール選帝侯ルカヌス。
ラサール侯もあまり描写がありませんねえ。 猫の年の新年の賀の祝典には、病気のために参列出来ませんでした。
弟がいます、ヴォルフ伯爵アウス。パロ内乱後行方不明になったグイン王をノスフェラスに捜索した折、遠征軍の責任者をつとめました。

十人目、ロンザニア侯カルトゥス。
ロンザニアと云えば、黒鉄鉱を産するので有名です。
79巻「ルアーの角笛」では、グイン王から剣の誓いを受け取って、アキレウス大帝がこう仰っています。
「あいかわらず固いなお前は、それこそロンザニアの鉱石の黒鉄鉱よりも」


そして――ササイドン会議を欠席した選帝侯。


ディモス、云わずとしれた太陽侯、ワルスタット選帝侯。
明るい青の瞳、金髪、秀麗な顔立ち。「ケイロン宮廷一の美男子」と謳われながらも、家庭的な人柄で、アンテーヌ侯の息女アクテとの間に五人の子をなしています。
パロとは因縁深く、元々ワルスタット侯家はパロの血をひくので美形が多いとされていますし、パロ内乱後のクリスタルに食糧援助をはじめライフラインやら経済の復旧に尽力しました。現在グイン王の命によって、クリスタルの駐留大使をつとめています。ハゾスの無二の親友ですが、しかし・・・

ユリアス・ベルディウス、ベルデランド選帝侯。
目元の鋭い、潔癖症。タルーアンの血が入っていることで、またサイロンから遠い地であること、北のかなめを守るためか? 本篇外伝を通し一度として黒曜宮出仕のシーンが描かれていない選帝侯ですが、天狼選書の「南から来た男」では準主役をつとめています。
大柄、タルーアンの紅毛、ナタールの空のような瞳の持ち主。ローデス侯とは幼なじみ。猫の年の新年の賀の祝典にも参列しませんでした。面白いのは「潔癖性」と云ってるのはグラ爺・・ミステリアスな設定に惹かれるものがあります。

以上十二人の選帝侯たちがからみもつれ、織りしかれるヤーンの運命もようは、今後もなかなかに手強そうではあります。書き手としては(笑と汗)ですが。


それから各選帝侯領図も添付します。手作りで気もさしますがここまできたら蛮勇で(爆)。写真.jpeg

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どこよりも早く・・ [グイン・サーガの新刊案内]

以前「どこよりも早く、グイン関係の情報をお届けします」をサイトのうたい文句にしたんですが、さすがにそれはムリなようで、気持ちだけ、どこよりも早く・・と受け取って下さいませ。

月刊グインは栗本先生でないかぎりムリなようで・・いや、物理的肉体的にムリです。今もがんばってケイロニア篇の続きを書いておるのですが、25パーセントにも到達してません。こえちいさいですね、がんばります。

で、す、けど! 12月には外伝が出ます!! http://www.neowing.co.jp/product/NEOBK-1735319グイン・サーガ・ワールド8「アムブラの休日」をお書きになった円城寺さんの作品で、グイン・ワールドで文庫デビューです。タイトルでお解りのように、豹頭王の愛称ヴァルーサの数奇な半生が綴られます。ご期待ください。 

売国妃シルヴィア [グイン・サーガ134巻は10月10日発売です☆]

こんばんは。

グイン・サーガ続篇プロジェクト、
新刊『売国妃シルヴィア』の書影がでております。51UEsaDnYeL.jpg
おうつくしいです。そして何やらあやしく小暗い雰囲気。わたくしの目には魅惑そのものにうつっております。ありがとうございます。絵師さま、ハヤカワ書房の担当さま、監修の田中さま、八巻さま、たくさんの人のおかげで書き下ろせたとおもっております。
もちろん栗本薫先生、中島梓先生の力に(作品ごしに)すがっている部分も多いです。・・けど、シルヴィア姫を降ろすのはほんとたいへんでした(そんな遠くないけど過去をみつめる目・・・)

闇が丘闇の館の地下で彼女を見舞ったのは、いかなる運命だったのでしょう?
カバーイラストがたいへん意味ありげですね。彼女の衣裳を浸すものは、地下水か、それとも血のしみなのでしょうか?
ケイロニア篇第2作目にあたる本作では、皇女シルヴィアの運命のゆくすえと、グインの新たな試練が語られてゆきます。どうかよろしくお願いいたします。




肖像を見ているうちシルヴィアが気がかりで、精神があちらに飛んでいってしまいました。サイロンの吟遊詩人の哀歌がきこえてきた……

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